原子爆弾とは〜注60

公開: 2019年9月1日

更新: 2019年9月xx日

注60. 中国軍との和平を主張する議論

上海攻略、南京城市陥落と、日本軍は中国軍との戦いに勝ち進んだため、日本国内では対中国強硬路線が勢いを得ていました。しかし、日本陸軍の参謀本部では、長期化する中国との戦争と、前線への武器弾薬と物資の補給が難しくなっていたため、戦争の継続には限界があるとして、蒋介石との和平に向かうべきであるとする意見が主流であっとされています。

当時の日本政府(近衛内閣)は、世論の波に押され、対中国軍に対して提示する和平条件を、それまでの条件よりも日本に有利なものにせざるをえない状況に置かれていたようです。そのため、蒋介石からの賠償等に関する条件の問合せに対して、「時間稼ぎ」と断定し、交渉を打ち切る選択をしたようです。この誤った判断が、日中戦争を長引かせ、第2次世界大戦へ導く導火線になりました。

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